第3回「常にベストである」という事

私は若い頃から、そこまでファッションに興味は無く、実際、自分が着ている服は、工事関係の仕事の方が着る事が多い、作業服のようなものを着て若い頃を過ごした。
その習慣、習性は就職してからも続き、スーツを着てもなんか決まらない感じで、その「決まっていない所」を、その頃勤務していた会社の常務(常務は女性でした)に継続的に指摘され続けたが、改善する事は出来なかった。

そのため、飛び込み営業に出ると、なんだか自分がみすぼらしく見えていないか不安な気持ちになった事を記憶している。

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今でもなんだか決まらない所があるが、昔よりもましにはなったと思う。

そんな認識でいたのだが、ある日、原田陽子氏とお会いした折に、ジャケットと中に着ているシャツの形状が合っていない事をご指摘頂いた。

その後に「ベストな自分」という事に関するお話を伺った。

自分が一番「最高の状態」「どこに行っても恥ずかしくない」と思う自分、つまり「ベストな自分」で物事に望むと、自信を持って人とコミュニケーション出来て、行動ができるので、その結果は自然と最高の結果として自分自身に帰ってくる、という事だ。

その反対は、「イケてない自分」を感じながら物事に望むと、積極的に物事に相対する事ができないことになり、チャンスを逃し、良い結果を望めない事が多い、という事だ。

このお話をお聞きした時、私はファッションや服装を整える事の「本質」を知らなかったという事に気づかされた。

ファッション・身だしなみとは、日常の物事に対して望む「姿勢」。
どれを着るか、どういった髪型にするか、という表面的な事だけではなく、物事の行方を司る「意味」を持つ事だとすれば、それは非常に重要である事と思った。
「服装や身だしなみはその人自身の中身を表す一番外側である」、この言葉は良く聞く言葉ではあるが、今回のお話で、理由がよく分かった。「中身」というとかなり漠然と聞こえる気がするが、「中身」とは、その人の「生きる姿勢」をも内包している。

女性は男性よりも大変だと思う。化粧の仕方、洋服や髪型の合わせ方、アクセサリーの選択など、バリエーションが多い。男性よりも多くの時間がかかる。

「女性は大変ですね。」

と私が原田陽子氏にお話すると、

「お化粧やヘアは自分でスタイルを決めておけば、そこまで時間はかからないですよ。」

とのご返事。どの程度の時間がかかるものか聞いてみると、

「お化粧に関しては、10分くらいです。毎日の身だしなみのレベルをここまでという自分の中で決めています。」

お化粧に時間はかかってないが、原田陽子氏はいつも、自信をもった、何か力を感じる素晴らしい女性だ。

「しかし、いろいろ考えると時間が長くのびませんか?どこまでやるかをどう決めているんですか?」

「たとえば、必ずマスカラまでは行うとか髪は巻くというレベルで決めています。その自分のレベルを決めておけば、今日はいい感じとか、今日は行けてないなどというばらつきが無く、それは精神的にも安定しているという事にもつながりますよね。」

化粧の仕方、やり方はメソッド。
メソッドを決め、それを習慣化すれば煩わしくなくなる。
原田陽子氏は「決めて習慣にする」事で「安定した精神」も作り出しているのだろう。
メソッドの向こう側にある本質は「ベストな自分」を常に作り出し、「物事をハッピーにする」事。
そうすれば自分が結果的にハッピーになれ、周りの人もハッピーにすることができる。

43年経ってやっと気づかされたその意味、その神髄。
今からでも遅くない。
本質を見据えて、もう少しだけ、服装に気を配ることで、ベストな自分を作り上げていきたいと思う。




プロデューサー竹下和宏が語る、原田陽子の流儀 - この記事について

私が「原田陽子」という人物に初めてお会いしたのは、40歳の時。
ある会社でディレクターをしている時だった。

その頃、自分の人生の中で大きな問題があり、それを引きずりながら仕事をしていた。 

気分が晴れないまま、そして、40歳という年齢を迎えても、なりたい自分に、自分が変われないまま過ぎ去って行く日々。

インターネット関連の相談から始まったお付き合いだったが、その「在り方」を知る度に、私は「引き込まれる」、まさにその表現が当てはまった。

「まだまだ、自分は変われてない」、そう感じてはいるが、確実に私自身の人生に大きな影響を与えているのは確かだ。
お会いしてお話をした際に毎回「気づき」があり、それが私に影響を与えている。

「気づき」は一見「メソッド(方法)」のように感じるが、その神髄は「在り方」にあると感じている。

ここに、その「気づき」を記してゆき、「原田陽子」という「在り方」の「本質」を明らかにしてゆければと思う。

フリープロデューサー / ディレクター
竹下和宏