第4回 生活は思考のトレーニング

人は生きていれば、トラブルが必ずある。
トラブルの無い人生を過ごす人はいない、そう言い切っていいと思う。
大きなトラブル、小さなトラブルと色々あるが、人はそのトラブルに関して落ち込む事が多い。
大半の人がそうだと思う。
私もご多分に漏れず、そうである。

lgf01a201403042200.jpg

落ち込むだけならまだいい。
落ち込んだ末、それを人に話したくなり、相談という名目で話をするが、基本的に解決する事はない。
その落ち込んだ出来事を口に出したとたんに、その感情がよみがえり、また落ち込んでしまう。
「相談する」という事は、「口に出す」という事である。
「言霊」という言葉がある。
良くない言葉、よくない出来事を口に出すと、その方向へ未来が傾いて行く、というものだ。
分かっている、分かっているが堪え難い自分の感情が、そうさせる。

このように、以前落ち込んだ事を、なんらかの出来事で思い出し、ずっと悔やみ続ける、そういうのがおおよその人間ではないだろうか。

以前、「解決する」という事について、このコラムで書かせてもらった。
原田陽子氏は「自分を客観的に見て、素直に受け止める事」、まずこれが大切だと言う。

しかし、素直に受け止める、自分を客観的に見る事でそのトラブルを解決しても、結局のところ、自分の心の置き場所が無くなってしまう、そういう感覚を私は持つ。
この事について原田陽子氏に尋ねてみた。

「切り換えが大切ですね。アクシデントは必ず起きるし、それを解決して行かなければ前には進まない。しかし、それをずっと思い出して、それでまた落ち込んで、という事を繰り返したら、前に進めなくて"勿体ない"と思いませんか?」


確かに勿体ない。
確かに思い出す事で前に進めなくなり、動けなくなる事もある。
確かに、そうした後ろ向きな思考では、仕事でも生活でも、いい結果は望めないかもしれない。

「しかし原田さん、思い出す事を自分で止めるのは難しいと思います。原田さんはどうされているのですか?」

「私は忘れる、という事はないと思いますが、常に楽しい事を考えるようにしています。」

「原田さんはトラブルを忘れる事ができるんですか?」

「忘れる事ではないです。頭の片隅にはあるんですが、楽しい事を考えると、その事について考えなくなるでしょ?」

なるほど、自分にとって楽しい事を考えると、落ち込む出来事を考える時間が無いので、見かけ上、「忘れた」風になる。
とはいえ、楽しい事を考えていても、何かの拍子に「落ち込んだ出来事」を考えてしまわないだろうか?

「日々、その思考を心がけていれば、そういう風になりますよ。」

やはり、原田陽子氏もいきなり、完璧にそれが出来た訳ではないようだ。
そう考えると「日々の心がけ」が、原田陽子氏の「ありよう」を形成していると思う。

毎日の中で行動をしっかりと決めて、それを習慣にして生活する事。これはトレーニングだと言える。

落ち込むようなトラブルは、起きてしまった事であり、起きた事は変えようがない。
それは客観的視点を持って、素直に受け止めるしかない。
加えて、日々自分の姿勢を保つ事のできる思考のトレーニングをして行けば、心の安定を保ち、物事がスムーズに進むだろう。
さらに、トラブルを未然に防ぐ事もできる。

「自分が楽しい事を考えて、それを実行してゆけば、自分や周りの方々が楽しくなるでしょ?そうするとどうにもならないトラブルが減るでしょうし、トラブルが起きてもすぐに解決ができる、そういうものだと思いませんか?」

どうやら僕には、良い思考の連鎖を生み出すトレーニングが必要だ。
「明日からイタリア人になれ」という無理難題を言われている訳ではないのだから、出来ない事はないだろう。




プロデューサー竹下和宏が語る、原田陽子の流儀 - この記事について

私が「原田陽子」という人物に初めてお会いしたのは、40歳の時。
ある会社でディレクターをしている時だった。

その頃、自分の人生の中で大きな問題があり、それを引きずりながら仕事をしていた。 

気分が晴れないまま、そして、40歳という年齢を迎えても、なりたい自分に、自分が変われないまま過ぎ去って行く日々。

インターネット関連の相談から始まったお付き合いだったが、その「在り方」を知る度に、私は「引き込まれる」、まさにその表現が当てはまった。

「まだまだ、自分は変われてない」、そう感じてはいるが、確実に私自身の人生に大きな影響を与えているのは確かだ。
お会いしてお話をした際に毎回「気づき」があり、それが私に影響を与えている。

「気づき」は一見「メソッド(方法)」のように感じるが、その神髄は「在り方」にあると感じている。

ここに、その「気づき」を記してゆき、「原田陽子」という「在り方」の「本質」を明らかにしてゆければと思う。


フリープロデューサー / ディレクター
竹下和宏