第3回「対話」するショッピング

私は仕事で、店舗のコンサルティングを行っており、その仕事の影響か、どうやってお店選びをし、何を基準に商品を買って行くかがとても気になる。



前回、ショッピングに関するお話を書かせて頂いた。
原田陽子氏と話をした時に、効率的にショッピングをする事、日頃から情報を捉えている事を知ったが、同時に感じたのは、お店との付き合い方が密接ではないか?と思う事だ。


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例えば、話の中で、こうした内容があった。



「自分が買おうとする服は、自分に合うかどうか客観的にわかっています。でも、お店でちょっと自分の方向性と違う服を勧められた時、その服が自分に似合うか似合わないか、店員の話の中で新しい発見がある事もあります。」



自分の趣味とは違うものを、商品として店員が勧めてきた場合の話だ。



私は店舗のコンサルティングをしているので、この話はよくわかる。
お客様が知らない事、体験した事の無い事を店舗では売っているはず。
知らない事、体験した事のないもの、それを「提案」するのがお店。
この「提案」が出来ない店舗は、売上げが伸びない事が多い。
例えば、洋服店であれば、「お似合いですね」とは言えるのだが....なぜかその先が無い。
そういうお店や店員も多いのではないだろうか?



その状態を逆にお客様の立場から考えてみる。
なかなかお客様との距離が近くならない、と自信無い店員が「お似合いですね。」と言ったら...
それはどう感じ取られるのだろうか?
つまり、売りたい「お似合いですね」と、本当に「お似合いですね」と言っているかどうかを、お客様はどこで見分けるか。



そこで原田陽子氏に聞いてみた。



「本当にお似合い、と言っているか、そうではないかをどうやって見分けますか?当然、売り込みだけ、という事おあるんではないか?と思うのですが....」



そうすると、



「その方に更に話を聞きます。例えば、洋服だったらなぜこの色や柄、生地なのか、それがなぜ私に似合っているのか。そういう話がきちんとできる方を信頼します。そして、そのすすめる姿勢が見えてくるんです。」



よく考えれば、お客様と店員が対話する事はどの位あるだろうか?
実は思う程無い。
客としては「自由にショッピングをしたい」、店員としては「手間がかからず、商品を売りたい」という関係であれば、話をするタイミングはあまり無いのである。



そう考えると、店員に話しかけ、会話をする事はその店が本当に自分の事を考えて商品を販売してくれているかどうか、を確かめる方法なのかもしれない。



原田陽子氏の話を聞いていると、お店とのご縁がかなり深く、長いのではないか?と思われる内容が多い。



その要因は、恐らく「対話」にあると思う。



「質問はしますし、よくお話は聞きますし、ご縁は大切にしています。」



その言葉の中には、様々なものが含まれているような気がする。



今回はその中の1つ、「対話する」という事を書き綴ってみたが、「対話」がでれば、関係性も深まり、より良いサービスや情報が得られるはずだ。



昨今は低価格やサービスを打ち出して、集客を行っている店舗はかなり多い。
価格や商品自体の価値は確かに重要だ。
しかし、価格だけに捉われない、「対話」するショッピングで、何かの"価値"をお客様、お店が双方得られるならば、それは本当に素晴らしい事だと、コンサルタントである私は本当に思う。



はたして、そうした「対話」ショッピングを愉しんでいる人は世の中にどれほどいるのだろうか。



その「対話」にもプロトコールマナーが活かされている、
原田陽子氏と対話しながら、そう感じた。




原田陽子流「丁寧な暮らし」について

原田陽子氏のお話をお聞きする中で、様々な「気づき」があります。それは生活の中における、ちょっとした悩み事や考え方を変える、ヒントになると感じました。


この「原田陽子流 丁寧な暮らし」というコラムを通じて、そうした生活に役立つ考え方、捉え方を記して行く事で、お読みになった様々な方のヒントになれば、と思っております。



書き手:フリープロデューサー / ディレクター
竹下和宏